光回線でこれからインターネットを始める人も乗り換えを検討中の人も問題となるのが工事が面倒ということ。
光回線の工事を頼んだけれど、「どんなことするの?」、「どのくらい時間がかかるの?」、「何を用意すればいいの?」等、営業をしているといろいろなことを質問されます。
そこで、ここでは光回線の工事に関する基礎知識を回線営業マンから見た目でご説明していきましょう。
誰も教えてくれない工事を短縮するコツもコッソリお話します。
契約から工事日の決定まで
契約の際に工事が決まってしまえばいいのですが、多くの場合申し込み後に営業マンもしくは担当者から工事の日程の調整をする為の電話で工事の日程が決まります。
契約した回線により工事の希望時間を指定できる範囲は変わってきますが、基本的に午前(9:00~12:00まで)と午後(13:00~17:00)を選ぶことができます。
土日祝日と年末年始に関しては通常の工事費に加え3,000円が加算されますので、工事日を指定するなら平日のほうがお得です。
時間をどうしても指定したい人には、時刻指定サービスがありますが、通常の工事費に加え下記の追加料金が発生します。
夜間・深夜・年末年始の割増工事費
時間帯区分 | 適用内容 |
---|---|
昼間(8:30~17:00) | 通常の工事費 |
夜間(17:00~22:00) | (通常の工事費の合計-1,000円)×1.3+1,000円 |
深夜(22:00~8:30) | (通常の工事費の合計-1,000円)×1.3+1,000円 |
12月29日から1月3日(8:30~22:00) | (通常の工事費の合計-1,000円)×1.3+1,000円 |
時刻指定工事費
時間帯区分 | 適用内容 |
---|---|
昼間(9:00~16:00) | 11,000円 |
夜間(17:00~21:00) | 20,000円 |
深夜(22:00~翌8:00) | 30,000円 |
夜間の光回線の工事や年末年始の工事、時刻指定は追加料金がかなり高額となります。
できることなら平日の日中に工事を指定するのがおすすめです
稀に時間過ぎているのに一向に終わらないとクレームにする方がいますが、あくまでも工事の人間が来る時間であって終了する時間ではありません。
午前中の指定だからと言って午前中に終わるわけではありませんのでご心配なく。
日程が決まれば後は工事の日にちを待ちましょう。
前日もしくは当日の朝、大体の訪問時間を工事担当者が連絡してくれます。
前日もしくは当日は知らない番号からかかってきても電話に出るようにしましょう。
光回線の工事の前に準備しておくこと
光回線の開通工事の際に何を準備しておけばいいのでしょうか?
- ONUの設置場所を決めておく
- 設置場所周辺の掃除
- 契約時の書類
- 印鑑
- あれば家の配線図
最後の家の配線図ですが、外壁からホームゲートウェイの設置場所まで宅内の配管を使用するときがあります。
この配管がどこを通っているかなど、配線図があると工事の担当者も分かりやすいはずです。
ただ、もしもの時のためなので無くても大丈夫です。
光回線の工事はどんな工事
それでは工事当日は実際どのような工事になるのでしょうか?
工事先の物件により変わってきますのでご自分のお住まいに合わせた工事をご参考にしてください。
戸建ての屋外工事
工事に来るのは現場にもよりますが2人もしくは3人、工事の担当1人もしくは2人と交通整理の方が1人。
高所作業車やワゴン車でくる場合が多いようですがその地域にもよって違いはあるようです。
可能であれが工事車両の駐車位置を確保しておくと親切です。
屋外の工事は近くの電線についている黒い箱(クロージャー)から光ファイバーを分岐させその光ファイバー工事宅まで引き込みます。
工事宅の壁面に光ファイバーを引き込む為の金具を取り付け、その金具を介して宅内に光ファイバーを引き込んでいきます。
宅内に光ファイバーを引き込む方法は主に下図の3通りとなっていて、基本的には一番左の電話線の引き込み口より光ファイバーを引き込む形が一般的です。
ただし、宅内に敷設された配管がいっぱいだったり詰まっていたりした場合には、真ん中のエアコンダクトや壁に穴を開けて通線口を作ったりの作業となる場合もあります。
いきなり壁に穴を開けて、通線口を作られてトラブルにならないためにも、引込のルートは工事前に工事担当者に確認することが必要です。
引用元:フレッツ光 開通工事レポート 戸建てにお住まいのお客さま | NTT東日本 | フレッツ光
屋外の工事は黒い箱(クロージャー)の位置や引込方法により変わってきますが、早ければ30分ほどで終了します。
戸建ての屋内工事
上記の3つの方法で屋外から引き込んだ光ファイバーをあらかじめ決めておいたONUの設置場所まで引き込みます。
建物内の光ファイバーの引き回しについては建物により違いますが、一般的に電話のモジュラージャックがついている部分に光コンセントを設置します。
また、エアコンダクトから引き込んだ場合や壁に穴を開けて通線口を作った場合には、分離型コンセントを設置する場合もあります。
光コンセントにつきましては当然NTTのルールが決まっているのでしょうが、その中でも工事担当者のスキルによっても違ったりするようです。
工事に不満があるようならその場で工事班に伝えてください。
NTTのルール内であれば修正してくれるはずです。
そこからホームゲートウェイまでは屋内用の少し柔らかい光ファイバーで接続し、工事の人間が持ってきたパソコンで光回線の接続の確認を行います。
以上、ここまでが光回線の工事となりますので、ホームゲートウェイから先は自分で接続や設定を行う必要があります。
引用元:フレッツ光 開通工事レポート 戸建てにお住まいのお客さま | NTT東日本 | フレッツ光
別の部屋でもパソコンを使いたいときの追加工事と料金
光コンセントを1階に設置してもらったけど、2階でもパソコンやスマホ・タブレットを使いたいという人もいると思います。
最近の無線LANは性能もよくなったので2階でも工事をしなくてもwi-fiが使える環境を整えるのが難しくなくなりました。
とはいえやはりPS4やNintendo Switch、パソコンでオンラインゲーム等する場合は有線接続のほうが良い場合もあります。
そんなときのために光回線のオプションとして下記のような追加工事を申し込むことができます。
2階でパソコンを使用する場合
工事費は建物の構造や2階の設置する場所までの距離により工事費は変わってきますが、一般的な料金として追加工事費用11,000円となります。
電話を2階に移設してパソコンを1階で使用する場合
2階に電話を移設する場合は工事に使用する線がメタル線となりますので、一般的な工事であれば追加工事費4,800円となってしまいます。
街の工務店などに頼むより低価格なので、2階でもパソコンを使う人やwi-fiの環境を良くしたい人は光回線の工事と一緒に追加工事の申し込みをおすすめします。
マンションの屋外工事
マンションの場合でも屋外の工事は戸建てと同じです。
近くの電柱に設置してあるクロージャー(黒い箱)から建物の壁まで光ファイバーを引き込みます。
ここからが戸建てと違うところで、マンションの場合外から引いてきた光ファイバーはマンションに設置されたスプリッターという光ファイバーの分配器に接続され、そこから各部屋に分配されていきます。
契約の際にマンションプランが選べるということはその建物にはすでにスプリッターが設置してあるということです。
スプリッターは建物の共有部分に設置されていますので、光回線の屋外工事はスプリッターから部屋までの引き込みとなります。
部屋までの配管が無かったり、詰まっていたりすると時間もかかりますが、スムーズにいけば1時間ほどで引き込み作業は終了します。
マンションの屋内工事は3種類
マンションの光回線の提供方法は光配線方式・VDSL方式・LAN配線方式と別れています。
- 《光配線方式》マンションの共有部分にある設備から、各部屋まで光ファイバーを引き込み光コンセントを設置する方法
- 《VDSL方式》共有部分までは光ファイバーですが、そこから各部屋までは電話線を使ってサービスを提供する方法
- 《LAN配線方式》共有部分から各部屋まではLANケーブルでサービスを提供する方法
最近では光配線方式が主流となっています。
また、マンションの屋内の工事は物件により工事の人が来る場合と工事の人は来なくてホームゲートウェイだけ送られてくる場合の2通りがあります。
引用元:フレッツ光 開通工事レポート 集合住宅にお住まいのお客さま | NTT東日本 | フレッツ光
VDSL配線方式の場合部屋内の電話のモジュールジャックにONUを接続します。
LAN配線方式の場合は部屋についているLAN配線のモジュラージャックにパソコンを接続するだけです。
光コンセントが無い場合
部屋に光コンセントがついていない場合には、工事の派遣が必要となります。
光回線の工事の内容は屋外工事で行った、スプリッターから部屋まで光ファイバーを引き回し、光コンセントを部屋内に設置します。
光コンセントからホームゲートウェイに接続し通信テストをして接続確認し工事は終了となります。
光コンセントがある場合
部屋にすでに光コンセントが設置されている場合、派遣工事は不要!といいたいところですが、派遣工事が必要なケースがあります。
NTTの光回線の場合、ほとんどが無派遣工事となりますがそれ以外の会社は工事が必要です。
無は健康時の場合ONUやホームゲートウェイがNTTから送られてくるので、それを自分で接続して設定ということになりますが、auひかりやNURO光などの事業者の場合、すべて派遣工事が必要となります。
「光コンセントがあるのに何故?」と思われるかもしれませんが、理由としては光ファイバーの点検及び交換だそうです。
光コンセントはNTTとauひかりで共通となりますのでがauひかりの場合すべて、NTTの場合必要により派遣工事が必要ということになります。
それ以外の光回線は新たに光コンセントの設置などの工事が必要です。
NTTやauひかりは、光コンセントの設置状況がデータベース化してあるので、何という建物の何号室と入力すれば派遣工事か無派遣工事かはすぐにわかります。
マンションの光回線の工事は、光コンセントがある場合基本的に無派遣工事ですみますが、100%ではないというのは覚えておいたほうがいいでしょう。
VDSL配線及びLAN配線の場合
NTTの工事で屋内の工事がVDSL及びLAN配線の建物は派遣工事が基本的に必要ありません。
契約後に送られてくるホームゲートウェイを設置して設定を行うだけとなります。
ただし、これもすべてというわけではなく建物によっては派遣工事が必要という物件もあるので、必ずNTTに確認が必要です。
auひかりに関しては基本的にすべて派遣工事となりますので、立会いや工事費が必要となります。
VDSLだから遅いと諦めている人いませんか?
ほとんどの人がいつか光になるだろうと期待して待っているようですが、待っていてはいつになるかわかりません。
そこで自分でNTTに連絡をして見ましょう。
「VDSLの物件で契約する予定なんだけどひかり回線に変更してもらえないでしょうか?」
これだけです。
後はNTTが動いてくれるはずです。
依頼を受けたNTTは管理会社もしくは建物のオーナーさんに連絡を取って光回線の配線工事をしてもいいか確認を取ってくれるはずです。
この工事費は発生しない事に加えVDSLから光回線に対応することで物件の価値も上がりますしメンテナンスも楽になりますので、管理会社やオーナーはあまり断ることがありません。
NTTからの正式な依頼であればVDSLから光回線に変更は可能なんです。
もちろん大掛かりな工事が伴いますので時間はある程度かかりますが、VDSLでストレスを感じながら使うよりは少し待ってでも光回線のほうがメリットがい多いのは言うまでもありません。
これからVDSLの物件に引越しをお考えの人や現在VDSLで遅くて悩んでいる人もぜひ一度NTTに相談してみてください。
VDSLが遅いと思っている人からするとありがたい話かもしれませんが、ネットを使っていない人からすると工事は迷惑なので反対という人もいます。
また、賃貸でも管理会社やオーナーがNTTを嫌いだったりする場合には工事は必要ないと断られることもあるかもしれませんので、100%可能というわけではありません
光回線の工事は主に上記のような内容となります。
ホームゲートウェイまたはONU以降については個人で設定をする必要があります。
光回線の設定は会社により異なりますので以下を参考にしてください。
光回線 | URL |
---|---|
フレッツ光 | 開通工事・設定ガイド |
auひかり | 初めての方へ(接続手順) |
NURO光 | 申し込みからインターネット開通まで |
eo光 | 接続・設定方法 |
コミュファ光 | 機器の接続・配線 |
フレッツ光は付属の設定用CD-ROMで簡単に初期設定が行えます。
初期設定はプロバイダから送られてくる接続情報が必要です。
プロバイダ情報はなくしてしまうと再発行まで時間がかかります。
プロバイダからの書類は大事に保管しておいてください。
光回線の工事、申し込みから開通までの期間
光回線を申し込んで気になるのはいつ頃開通するのかです。
光回線の工事は通常、申し込みから工事開通まで約1ヶ月ほどかかることが多く、開通まで遅いという口コミをよく聞きます。
さらに、引越しの多い時期2月から5月は繁忙期のため、1ヶ月以上かかってしまうこともあります。
※早ければ2週間ほどで工事ができてしまう場合もあります。
会社や地域などでかなり変わってきてしまいますので、工事の期間はある程度余裕を見て申し込む必要があります。
工事を早くしたいなら実績の多い代理店を選ぶ
工事を少しでも早くしたいなら申し込む代理店選びも重要です。
代理店の光回線の工事の申し込みは、インターネットを使って工事予定を組んでいきます。
営業が会社に契約を持ち帰って、その後工事の日程を調整するところが多い中、実績の多い代理店ならばそれなりにノウハウを持っているようで工事の日程調整が非常にスムーズです。
新規契約の場合、特にキャッシュバックなどの特典に目が行ってしまいがちですが、代理店によっては工事の日程調整が遅かったりするときもありますので、代理店選びは非常に重要となります。
工事が延期にならないように注意
また工事を予約していても当日になって工事ができないケースもあります。
- 悪天候
- 賃貸の物件で管理会社もしくは大家さんの許可を得ていない場合
- 光ファイバーの引き込みルートが確保できない
- 光ファイバーを引き込む際に他人の土地の上を通過する場合
上記の4つのケースが工事当日になって中止となってしまうケースです。
天気に関しては少しぐらいの雨ならほとんど工事をしてもらえますが、工事班の安全を確保できないような天候の場合工事は延期となります。
また、それ以外については事前に担当者に確認を取っておきましょう。
自分で管理会社もしくは大家さんに光回線を入れますと伝えるだけです。
管理会社でやめてくれとはいわないはずです。
どこにホームゲートウェイを設置するかも工事前に決めておくと当日スマートに進みます。
設置の難しい場所だと工事ができないとして中止となってしまうこともあります。
以外とあるのが電柱から自宅に光ファイバーを引き込む際に他人の土地の上を通らなければいけないときです。
この場合その土地の所有者に許可が必要となります。
許可がないとNTTの工事班は作業できませんので、他人の土地の上を通りそうなときは事前に承諾を取っておく必要があります。
はじめにお断り。
必ず効果があるわけではありませんので、早くなったらラッキーと思う程度で試してみてください。
工事の日程が決まったら後日NTTに電話を入れてみましょう。
「予定した日が都合が悪くなったので早くなりませんか?」と。
うまくいけば工事のキャンセルが出て、空きがあれば予定より工事が早まることがあるかもしれません。
少しでも早く工事をしてほしい人は試してみては。
現場でよく聞く工事の Q&A
ここからは回線営業マンが実際に営業先で、工事についてよく聞かれることをご紹介していきます。
ぜひ参考にしてください。
どうしても都合がつかなければ、お友達でも大丈夫ですよ。
当然ですが、100%お断りします。
何かあったりしたら困りますから。
工事班といえど赤の他人です。
貴重品は目に付かないところにしまっておきましょう。
ただし雨や風がひどいときには高所の作業があるので延期となるときがあります。
ただし、こればかりは現場判断。
工事班が危険と判断した場合は工事は延期となってしまいます。
安全第一ですね。
必要な場合プロバイダによっては接続サービスが別にありますので事前にそれに申し込みしてください。
あくまでホームゲートウェイやONUまでの接続を確認するまでが開通の仕事です。
中にはサービスが悪いとお叱りを受けるときもありますが、そのときは申し込んだプロバイダーのサポートに依頼してください。
ただし、管理会社の許可は必要なのと引越しの際は撤去が必要です。
ただお金を払ってでも快適にインターネットを使いたいという人の中には戸建てタイプの契約をする人がいます。
そのときはエアコンのダクトなどから直接光ファイバーを宅内に引き込む作業をします。
重複してしまいますが、許可が必要なので当然NGを出されてしまうこともあります
ホームゲートウェイを設置する周辺だけでも片付けておいたほうがいいでしょう。
きれいな場所の工事はきれいに工事していきます。
汚いからといって手を抜くような工事班はいないと思いますが、やはりきれいにして工事を迎えるほうがいいでしょう。
光ファイバーが折れ曲がっていたりしないか等も確認できるので簡単でもいいのである程度片付けて工事当日を迎えましょう
開通工事のいらないインターネット!?
どうしても1日でも早くインターネットを使えるようにしたいという人にお勧めなのがポケットWi-Fiです。
最短で翌日発送で到着後すぐにインターネットが使用できる優れもの。
ただしオンラインゲームや動画をたっぷり楽しみたい人には正直なところあまりお勧めはできませんので、あくまで光回線が開通するまでの間、ポケットWi-FIを仮で利用して光回線の開通を待つのがいいでしょう。
Wi-Fiのレンタル代金が余計な出費となってしまうかもしれませんが、光回線を上手に選べばポケットWi-Fiの分は新規契約の特典、キャッシュバックで賄えます。
すぐに使えるからとポケットWi-Fiを長期契約する前に一度検討してみてはいかがでしょうか?
速度も気にしないし、動画もそれほど見ないという人にはポケットWi-Fiもおすすめです。
まとめ(契約から開通まで)
光回線の工事は契約から開通まで通常であれば3週間から1ヶ月と考えておくといいでしょう。
ただし2月から5月後半までは繁忙期のためそれ以上にかかることがあります。
光回線の申し込みは余裕を持って申し込むことが非常に重要です。
乗り換えの場合は上手に解約期間を合わせないとネットが使えなくなる期間が発生したり、逆に無駄に契約が重複したりしてしまいます。
光回線の乗換えを考えるのは早め早めの行動が大切です。
また、光回線の工事は戸建てか集合住宅はもちろんのこと、構造や分譲か賃貸かでも工事の内容が変わってきます。
わからないことはどんどん電話をして聞いてください。
光回線だけではありませんが、工事はクレームも多い作業のひとつです。
わからないことをそのままにしておくと、工事後にこんなはずじゃなかった・・・ということがなくなるはずです。
わからないことをわからないままにしておかないよう注意しましょう。